持田 理乃

大学を卒業後、秩父学園にて福祉を学び、2011年にせたがや樫の木会に入職。就労支援を担う下馬工房を経て、現在は相談支援センターあいに勤める。

当たり前のことを大事にしたい

福祉関連の仕事がしたい、その中でも障害を持った方と関わる仕事がしたいと思ったのは、大学時代に行っていたボランティアで自閉症の子どもと関わったことがきっかけでした。その当時は何の知識もなかったので、ただ純粋に子どもたちの行動を見て、その思考回路の面白さに興味を持ちました。そして大学を卒業後、国立秩父学園にて 1 年間の寮生活をしながら福祉を学びました。
学園を修了した後は、まずは障害を持った方の生活全般を知っておきたいと思い、入所施設に就職しました。24 時間 365 日の勤務で夜勤もあるので、体力がある若い内にという気持ちもあり、そこでは 3 年ほど勤めました。転職を考える中で樫の木会に興味を持ったのは「障害があっても生まれ育った場所で当たり前に生きていく」「世田谷区に根を張って福祉活動をする」といった考え方に魅力を感じ、共感したからです。

人生設計という仕事

相談支援センターあいでの仕事「計画相談」では、障害を持った方が日常的に感じている不便や困りごとの相談に乗ったり、その不便を解決できるサービスを紹介するといった業務を行っています。一度きりの相談ではなく、提案したサービスがきちんと機能しているか長期にわたってヒアリングやモニタリングも続けていくので、利用者やそのご家族とは長いお付き合いになります。今必要な支援だけではなく、遠い先のことまで見据え、人生という長いスパンで利用者に寄り添っていくのがこの仕事の特徴です。
より良い生活が送れるよう、広い視野を持ち、様々な角度から提案をすることが私たちの仕事ですが、考えが一人歩きし、利用者の思いからかけ離れてしまわないようには意識をしています。アドバイスや提供するサービスの価値がきちんと伝わるように、理解していただけるように、適切な言葉を見つけることに苦労はしますが、その結果利用者の生活が豊かになったり、笑顔が見られた瞬間はとてもやりがいを感じます。利用者に対して職員は担当制になるので、まさに人生を共に歩ませていただいている感覚です。

仕事がさらに楽しくなる職場

やりがいを感じる一方で、利用者の人生を考え一人一人とじっくり向き合うということは、その分背負う責任や重圧もどうしても大きくなってしまいます。しかし、そういった不安や悩みに寄り添い、前向きな気持ちにしてくれるのがこの職場です。
職員はそれぞれの訪問先に出向いていることが多く一緒に働く機会は少ないですが、休憩時間等に少し話をするだけで気持ちが軽くなり、新たなやる気をもらうことができています。みなさん経験豊富で心強く、安心感を与えてくださる方ばかり。本当に人に恵まれていると思います。
育児休業を取った際も、担当している利用者の割り振りや引き継ぎ、復帰してからも働き方や時間の調整など、好意的に受け入れてくれる環境がありました。訪問や面談は相手の方との約束なので、お休みや調整が難しい仕事にはなりますが、みなさん経験者ということもあり快く対応してくださり、また子育ての相談にも乗ってもらっています。さらに支援の中では珍しく、在宅でできる事務作業も多いので、子育てをする身としてはありがたい環境だと思います。

いつまでも現場で働きたい

これまでは、新しい方が入社されてもみなさん経験者で、私が一番年下でした。今後後輩が入ってくる機会も出てくるとは思いますが、私は人の上に立ったり、出世することにはあまり興味が持てず、どちらかというと苦手です。なのでいつまでも現場で、より多くの利用者と関わっていきたいと思っています。
その上で、仲間になってくれたら嬉しいなと思うのは、一番には福祉の仕事に興味を持ち、この人の人生がこうなったら素敵だなぁ...面白いなぁ...と一緒に考えたりワクワクしてくれる方です。 そういった楽しみやワクワクが持てた方が、仕事も楽しめるのではないかと思います。
大変な時には相談に乗ってくれ、楽しい瞬間は一緒に分かち合える、心強くあたたかい職場は自慢です。まずは、気負わずに飛び込んできてもらえたらと思います!